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【乳がん検診:何歳でどの検査を受けるべき?】女性が知っておきたいことまとめ

公開日: : ┣たまには女医っぽいおハナシ

こんにちは
医師×マネーコンサルタントの岡本彩です

がん検診について、まだまだよくわからないという人が多いので
人間ドック学会認定医でもあるわたしが
特に質問が多い【乳がん検診】について解説します

乳がん検診がマンモグラフィになっている理由

乳房の検査には
触診、マンモグラフィ、超音波検査があります

マンモグラフィは乳房を挟んで撮影するので痛みがあり
イヤがって超音波検査にしている人もいます。

どの検査を受けても乳がんが見つかるなら
わざわざ痛い思いをして
マンモグラフィ検査を受ける必要はありませんよね。

では、どうして乳がん検診は
マンモグラフィ検査なのでしょう?

ここで、「そもそもどうしてがん検診があるのか」を考えてみます
がん検診の目的はがんによる死亡を減らすことです

乳がんは早期発見できれば
治療することで死亡を回避できることがわかっています。
自治体が税金を使ってまでやる検診ですから
死亡率を下げられなければ意味がありません
(中には意味がない検査を
税金で行なっている自治体もありますが…)

統計では
【40歳以上の人でマンモグラフィによる乳がん検診を毎年受けると
乳がんによる生涯死亡率が1.4%から1.0%に減る】
ことがわかっています

これは
マンモグラフィを受けない人:1000人のうち14人は乳がんで亡くなる
マンモグラフィを毎年受けた人:1000人のうち4人は乳がんがみつかって助かり
10人はやはり乳がんで亡くなる、ということです

えっ、それだけ?と思いましたか?
検査を受ければ全員助かるわけではありませんし
すべてのがんが発見できるわけでもありません

でも、1000人中4人の命が助かるなら
がん検診を受ける意味はあるのです

では、触診と超音波検査はどうでしょうか?

現時点では
触診や超音波検査で乳がんによる死亡率が
減ったというはっきりしたデータはありません。
言いかえると、毎年触診だけを受けていても
やはり1000人のうち14人が乳がんで亡くなる
ということです。

どうして触診や超音波では乳がんの死亡率が減らないのか?

はっきりわかっていませんが、
医師が触って気づくようなしこりは
ご自分でも気づくくらいの大きさなので
がん検診の前に病院に行く人も多いです

実際に乳がんで病院を受診した人のうち
半分以上は自分でしこりに気付いた人で、
乳がん検診ではじめて異常を指摘された人より多いのです

ただ
検査を受ける年齢を40代などに区切ると
超音波とマンモグラフィを両方受けたほうが
乳がんの発見率があがる
というデータもあります

乳がん検診が40歳以上の理由

そして、乳がんになりやすい年齢は40歳以上で
20代、30代で乳がんになる人は限られているため
若い人にがん検診をしても、乳がんの死亡率は減少しません

やはり現場の感覚として
20代や30代前半で乳がんになるような人は進行が早く
「検診で多少発見が早かったとしても
治療の結果は変わらなかっただろう」
と感じるケースは多いです

乳がん検診にはデメリットもある

どの検査でも、病気でないのに病気と診断される可能性
(偽陽性、読み方は「ぎようせい」)があります。

1000人にマンモグラフィ検査を10年間行なうと
乳がんでないのに
乳がんの疑いと診断される人は200-400人もいます

この偽陽性の確率は
・検査を受ける女性の年齢が若い場合(40歳未満)
・妊娠中・授乳中で乳腺が発達している場合
はもっと上がります。

がん検診で異常と言われたら、
・精密検査を受けて結果がでるまで
「自分はがんかもしれない」と不安になる

・結局良性の病変だったのに
検査をしなければわからないので
精密検査まで受けることになる

などのデメリットがあります。

まとめ

乳がん検診は、40歳以上の女性で
2年に1度のマンモグラフィが推奨されています

40歳未満の女性や、マンモグラフィ以外の触診・超音波検査は
受けても有効でない可能性がありますので
検査のデメリットや限界を知ってほしいと思います

マンモグラフィでなく超音波がおすすめな人とは

では、超音波は全く意味がないのでしょうか?
実は、マンモグラフィでなく超音波を受けるのが良いケースもあります。

1.マンモグラフィでは乳がんを見つけにくい、高濃度乳房や若い女性
2.妊娠中・授乳中・豊胸手術を受けた人
3.過去の検査で、超音波で経過観察するように言われた人
です
それぞれ説明しますね

1.マンモグラフィでは乳がんを見つけにくい、高濃度乳房や若い女性

高濃度乳房(読み方は「こうのうどにゅうぼう」)というのは、
乳腺が密で、マンモグラフィを撮影しても
乳房が白っぽく写るケースのことです
若い人に多いです

マンモグラフィでは乳がんは白く写りますが、
高濃度乳房だと全体が白くみえるため
乳がんが非常にみつけづらいです

20代、30代であっても、例えば
「お母さん、おばさん、おばあさん…
みんな若いうちに乳がんになった」
というような乳がんの家族歴があり検査を受けたい人には
超音波検査がよいかもしれません

中には40代であっても、高濃度乳房の人もいます。
過去に「高濃度乳房」といわれた人は
超音波のほうが 乳がんが見つけやすい場合があります

2.妊娠中・授乳中・豊胸手術を受けた人

現代では40代で妊娠中・授乳中の人も珍しくありません。
また、豊胸手術を受けた人もいます。

胸を挟んで撮影するマンモグラフィができませんので、
こういった人は超音波で代用することがあります。

ただ、妊娠中や授乳中は乳腺が発達しており
豊胸手術をしていれば異物が入っていますので
診断の正確性は劣ります

めやすとして、授乳が終わって半年くらいたつと
乳腺が通常の状態に戻る人が多いので
40歳以上で授乳をされていた方は
そのころ受け直してもいいかと思います。

3.過去の検査で、超音波で経過観察するように言われた人

以前に受けた検査で
乳房に良性の腫瘍などがみつかり、
「年に1回超音波検査を受けてください」と言われているような人は
指示通り超音波検査を受けてください。

長ーい記事になりましたが
まだまだ知らない人が多いことについて書きました
あなたのまわりに乳がん検診について知りたい人がいらっしゃれば
ぜひこの記事のことを教えてあげてください(^_-)-☆

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